スポーツチームや選手がトレーニングを行い、競争の中で試合に打ち勝っていくためには、さまざまな費用が発生します。
そんな中、スポーツチームや選手を応援し、資金援助を行ってくれる企業が現れ、スポンサー契約を結ぶことで、チームスタッフ、選手などがトレーニングに集中することができるようになります。
また、施設や道具への投資を行って、更なる強化につなげることが可能になります。
今回は、スポーツチーム、選手が企業などとスポンサー契約を結ぶ際に注意すべき部分について説明します。
重要な点は、権利内容を明確にすることとマネジメント契約の有無、そしてその内容の確認です。
プロのスポーツチームのユニフォームなどには、スポンサーになっている企業のロゴがプリントされていることがよくあります。
最近は、大学のスポーツ部などにも大企業がスポンサーになっている場合があり、アマチュアスポーツや地域スポーツの分野にまで、スポンサー契約の波が押し寄せています。
スポンサーになる目的
スポンサーになる企業の目的は、マーケティングであることが多くなっています。
サポートを行っているスポーツチームや大学のチームが、重要な試合で勝利をおさめることによってテレビ、新聞、インターネットなどで取り上げられる回数が増え、スポンサーとしてのロゴなどの露出度も増えていきます。
また、大学のチームをサポートしているスポンサーは、若くて有望な選手と早い段階から信頼関係を構築しておき、将来彼、彼女が成功した際に広告塔としての役割を期待している場合もあります。
ただし、地域密着型の企業が純粋にスポーツチームを応援したいという姿勢から、スポンサー契約を行っている場合もあります。
スポンサーとなる企業は、サポートを行うスポーツチームや選手に対して、協賛金などの名目で一定額のスポンサー金を支払うことが一般的です。
それによって、企業のロゴをプリントしたユニフォームをスポーツチームが導入したり、選手が企業名の入ったスポーツウェアやシューズ、道具などを利用することになります。
また、企業側は、スポーツチームの写真が入った広告などを作成したり、選手の肖像などについて、ホームページに掲載したり、看板にのせたりする権利を得ることになります。
スポーツ用品会社などがスポンサーになる場合、契約内容によっては、スポンサー金のかわりに、スポーツ用品などをチームや選手に提供し、パフォーマンス向上にいかしてもらう方法をとる場合もあります。
スポーツ用品会社が製造したスポーツウェアやシューズ、道具などを使って、チームが勝利を重ねるようになれば、その企業の道具も露出度が上がることになるため、スポンサー金を支払うことなく、ブランドイメージを向上させられる可能性が出てきます。
スポンサー契約で大切なこと
スポンサー契約は、企業とスポーツチーム、選手の状況、考えによって、まちまちですので、あらかじめ契約内容、権利内容を明確にしておくことが重要になります。
スポンサー契約の当事者になるのは、一般的にスポンサー企業とスポーツチーム、選手個人であることが多くなっています。
ただし、チーム内の選手が、特定の会社とマネジメント契約を結んでいる場合があるため、その際は注意が必要になります。
選手が特定の会社とマネジメント契約を行っている際は、スポンサーとの契約にマネジメント会社が登場してくる可能性もあります。
また、そのマネジメント会社がスポンサーとの契約を行う権限を有しているかなどについても、法務の専門家などと確認していく必要があります。
スポンサーとなる企業にとって、スポーツを支援することはブランドイメージの向上につながり、注目を浴びることによって業績に対するプラスの影響が生まれることもあります。
一方で、サポートしていたスポーツチームや選手が不祥事を起こしたりすると、当初のマーケティング目的が達成できないばかりか、ブランドイメージの低下につながりかねません。
そのため、スポーツチームや選手が問題を起こした場合は、スポンサーの契約を打ち切る条項を盛り込むことが一般的になっています。
また、スポーツチームや選手のユニフォームやスポーツウェアなどに掲載するロゴなどについても、契約内容などに必要に応じて記載を盛り込んでいきます。
企業の知名度を上げたいと考えているスポンサーもいれば、特定の商品の知名度を向上させたいと考えている企業もいます。
さらに、スポンサーとしてサポートを行う契約期間や、契約期間が長期にわたる場合にブランドイメージの向上などの効果が見られない場合の撤退条項などを入れることもあります。
スポーツチームや大学のチームは、スポンサーとなる企業の目的をきちんと把握した上で権利内容を明確にし、マネジメント契約をチェックすることが重要になります。
企業側にとっても、スポンサーになることは大きな経営判断ですので、その部分を理解した上で契約を行うことが必要になります。
そういえば先日、環境問題に取り組んでいる新東京グループがロッテとスポンサー契約を結んだのは、記憶に新しいところですね。
最終更新日 2025年5月12日 by syunik