ダイビングは慣れてくると楽しいものではありますが、同時に慣れてきた人ほど事故のリスクが高まります。
実際のダイビングの場でもガイドと一緒にいる初心者に事故が起きることはほとんど無いのに対し、ガイドがいなくともある程度潜れるようになった中級者以上になると事故が一気に増えるという傾向があります。
ではどうしてこうなるのかと言うと、その最大の理由は「慢心」にあります。
例えばダイビングの中で時折見られる事故としてあるのが、潜水を開始した直後にダイバーが呼吸できずパニックに陥るという事故です。
この原因の大半はタンクのバルブを開け忘れたことにあるのですが、初心者の場合はこういった事故を起こすことがほとんどありません。
初心者は自分で「何かトラブルが起きたら困る」と常に考えるものであり、そのために確認はしっかりと行い、わからないことがあればガイドに確認を取るからです。
また実際に水の中に入る前にレギュレータを加えて呼吸ができるかどうかを確かめることもするでしょう。
しかしながら中級者以上の人になってくると「普段大丈夫だから今回も大丈夫だ」という考えを持ってしまうことが多く、そのためにケアレスミスを引き起こしてしまうことが多いわけです。
加えて別の事故として漂流という事例もたまに報告されます。
これはバディと一緒にダイビングを楽しんでいる時にバディのエアが少なくなり、そのことでバディに「こっちはもう少し潜っているから先に上がっていて欲しい」と伝えたような時に起きがちです。
バディを先に上がらせて一人で潜っていたところ、潮流に流されてしまって漂流状態になり、全く関係ない漁船に助けられて事なきを得たなどの事例はたまにあります。
これは言うまでもなく一人でも大丈夫だと言う慢心によって引き起こされるものです。
ダイビングは何かが起きた時、自分一人では助からないこともあるというのは基本中の基本であり、講習の中で必ず勉強することのはずです。
そのことを忘れて自分の実力を過信するとこういう事故が引き起こされて、海上保安庁なども出勤させての大騒動が始まってしまうわけです。
またこのエアに関して言うと初心者がエアを早く使い切りそうな時に「他の人はまだエアが残っているから、上がらせるのは悪い」と思いこんでバディに情報を伝えないという事例も時折報告されているため、中級者のみならず初心者も注意が必要な部分です。
エアを使う早さはどれだけ慣れているかによって大きく異なり、初心者のうちは早いうちにエアを使いきるというのは珍しくないことです。
ほとんどのダイバーは初心者のころにそれを経験しているのですから、周りに悪いと思って言わなかったというのは絶対にしてはなりません。
むしろ周りに悪いと思って言わずにいて、エア切れを起こしてパニックになったなどになると最悪です。
ダイビングは海中という危険な環境に潜るスポーツであり、少し気を抜けば大事故に発展するリスクがある、このことは常に忘れず、慢心をしないように楽しみましょう。
関連HP
・沖縄ダイビングライセンス取得ツアー
・PADI Japan(パディ・アジア・パシフィック・ジャパン) 公式サイト
最終更新日 2025年5月12日 by syunik